Ponz Dev Log

ゆるくてマイペースな開発日記

Amazon WorkSpacesのWindows仮想マシンでKH Coderを動かしてテキスト分析する

テキスト分析で使用するKH CoderのインストーラWindows版しかありません。 AWSの仮想デスクトップサービスであるAmazon WorkSpacesでインストール、チュートリアルまでやってみた時の備忘録です。

aws.amazon.com

khcoder.net

WorkSpaceの準備

Amazon WorkSpacesはドキュメントに記載されている通り、WorkSpaceの構築に以下のサービスやリソースの準備が必要です。

  • IAMロールの作成
  • VPCの作成
  • ADディレクトリのセットアップ
  • ADディレクトリにユーザーアカウント追加
  • ユーザーに招待メール送信

今回は準備に時間をかけたくないので初回プロビジョニングには高速セットアップを利用します。 高速セットアップでは、上記のセットアップとWorkSpaceの作成を一手に実行してくれます。 自分がやったときはセットアップ開始から約20分でWorkSpaceが起動して招待メールが届きました。

また、Windows仮想マシンでKH Coderを動かすことが目的ですので、程よいスペックが欲しいところです。 OS / CPU / メモリといったスペックを選択するバンドルには Standard with Windows 10 を選択します。

Bundleには Standard with WIndows 10を選択
Bundleには Standard with WIndows 10を選択

その他のWorkSpaceのセットアップ方法は以下の記事が詳しいです。

qiita.com

仮想デスクトップにログイン

起動済みのWorkSpace Windows仮想マシンにログインするときはWorkSpacesクライアント、またはブラウザからアクセスします。ちなみにブラウザはWindows仮想マシンのみ、Linux仮想マシンは不可です。 私は普段からmacOSを利用していたのでWorkSpacesクライアントを以下のサイトからダウンロードしました。

clients.amazonworkspaces.com

ドキュメントにも記述されていますが、macOS Catalinaを利用されている場合はバージョン3.0.2以上をインストールしましょう。 ググるとたまに古いバージョンをダウンロードさせるページがあるのですが、 その場合はクライアント起動後にアップデートを促すプロンプトが表示されるので指示にしたがってアップデートしましょう。

If you use macOS 10.15 (Catalina), you must use version 2.5.11 or later of the macOS client application. Earlier versions of the client application have issues with keyboard input on Catalina. If you are using Catalina and are working with Linux WorkSpaces, we recommend using version 3.0.2 or later of the macOS client to avoid potential keyboard issues with some applications.

最後に認証コード / ユーザー名 / パスワードの3点をWorkSpacesクライアントに入力すれば無事Windows仮想デスクトップにログインできます。

WorkSpacesクライアントで仮想デスクトップにログインできた
WorkSpacesクライアントで仮想デスクトップにログイン

KH Coderをインストール

KH Coderのダウンロードページからインストーラをダウンロードして起動します。 インストーラの指示に従えばOKです。インストール後はそのまま起動できるかと思いきや...できません。 インストール直後にKH Coderを起動すると必ずDLLが足りないというエラーメッセージが出ます。

MSVCP100.dllが見つからなかったため、アプリケーションを開始できませんでした

これは既知の問題ですので、FAQに沿って必要なコンポーネントをダウンロードします。 https://khcoder.net/FAQ.html#dll_not_found

コンポーネントダウンロード後はWorkSpaceを再起動する必要があるので、AWS ConsoleからWorkSpaceを再起動します。 再起動中は5分程度クライアントからアクセスできないので注意です。

AWS ConsoleからWorkSpaceを再起動する
WorkSpaceの再起動

KH Coderの起動と操作

上記のインストールが完了したらKH Coderを起動できます。 KH Coderのチュートリアルに沿って夏目漱石の『こゝろ』のテキストから共起ネットワークを作成できました。パフォーマンスや描画速度、キーボードインプットのラグはまったく気にならなかったので使いやすいです。

KH Coderの共起ネットワークを描画する
KH Coderの共起ネットワークを描画する


Windowsでしか使えないソフトウェアは、Amazon WorkSpacesの仮想デスクトップを使えば自分のPCを汚さず簡単に実行できそうですね。 Amazon WorkSpacesと同じ仮想デスクトップサービスにMicrosoft AzureのWindows Virtual Desktopというサービスがあります。 まだ調べきれていないのですがこちらも興味深いので、何かの折にそっちと比較してみます。

azure.microsoft.com


以上。